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ITエンジニアの採用選考、どうしてる?《中編》――「評価項目」の作り方

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2018/05/21 06:00

 前回の記事「ITエンジニアの採用選考、どうしてる?《前編》」では、ITエンジニアの採用選考の仕組みを構成する要素を分析した上で、エンジニアが採用選考へ参加することが望ましい理由や、評価項目を定めることの重要性について解説した。本記事では、評価項目をどのように作っていくのかについて考察したい。

「ITエンジニアの採用選考、どうしてる?《前編》」はこちらから。

【復習】評価項目の分類

前回整理した選考の流れ(次図)の中で、「評価項目」の定義はかなり上流に位置する。評価項目を定めておくことで、選考に関わる人が見る領域を効果的に絞り込み、会社の文化や採用の目的に即した人を採用しやすくできる。

採否の決定に至る採用選考の要素の全体像
採否の決定に至る採用選考の要素の全体像
[画像クリックで拡大表示]

では、評価項目はどう作ればよいだろうか。前回の記事では、会社が本質的に求める採用要件は次の①~③に整理できると説明した。

一般的な領域
  • ① 候補者の価値観は、会社の価値観とマッチしているか
  • ② 候補者には、会社が社員に広く求める資質やスキルがあるか
専門的な領域
  • ③ 採用の目的に照らして、適切な準備期間ののちに戦力として活躍できる資質・スキルがあるか

基本的には、これら3つの分類に沿ってそれぞれ具体的な評価項目を策定することで、バランスの良い評価項目を作れると筆者は考えている。順に説明していこう。

①候補者の価値観は、会社の価値観とマッチしているか

候補者の価値観が会社の価値観とマッチしていることは、入社した候補者が継続してパフォーマンスを発揮するために、とても重要な条件だ。価値観のマッチというと「なんとなくウマが合う」といった感覚的なものと想像するかもしれないが、ここでいう価値観はもっと具体的で、次のような意味を持っている。

「価値観」とは
  • その会社が自認するミッション
  • その会社が実現したいビジョン
  • その会社の事業内容
  • その会社が大事にしていること

候補者が会社の価値観に適合している状態とは、これらを候補者が好ましく感じ、自分の個人的な興味や人生の目的感との親和性を感じている状態を指す。

例えば、企業(教育系事業会社と仮定)と価値観がマッチしている候補者(IT人材)と、マッチしていない候補者を比較すると次図のようになる。

企業(教育系事業会社と仮定)と価値観がマッチしている候補者(IT人材)と、マッチしていない候補者
企業(教育系事業会社と仮定)と価値観がマッチしている候補者(IT人材)と、マッチしていない候補者

①(候補者の価値観は、会社の価値観とマッチしているか)の評価項目を定義するに当たっては、先に挙げた「価値観」がすでに定義・周知されていなければならない。定義・周知されていなければ、まずそれから取りかかる必要がある。

ここでは「価値観」が定義・周知されているという想定のもと、①の評価項目の作り方の例を挙げてみることにする。

自認するミッション・事業内容から評価項目を定義する例

「ゲームを作る会社なのだから、ゲームが好きな人物のほうがマッチする」と考えているのならば、「ゲーム好きである」という評価項目を作ればよい。そこから、「〜のジャンルのゲームをプレイしたことがある」「自作したことがある」「ゲーム情報のサイトを解説したりコミュニティを運営したことがある」と、評価項目をブレイクダウンをしていくことができる。

実現したいビジョンから評価項目を定義する例

もし、会社の目指すところが「ある市場のゲームルールを変えること」ならば、その市場や業界の創造的破壊に情熱を抱ける人がマッチすると考えられる。一方で、ビジョンの実現に懐疑的な人や無関心な人は適合度合いを低く評価する必要があるだろう。そこで、そのような情熱の有無を判断するための項目を設定することが考えられる。

大事にしていることから評価項目を定義する例

コミュニケーションを特に大事にしたい会社であれば、面接などで丁寧なコミュニケーションを行う様子が見られたかどうかや、これまでにコミュニケーションに真剣に取り組んだ経験について語られたかを評価項目とすることが考えられる。

なお、価値観がマッチしない候補者は採用すべきでないかというと、必ずしもそうではない。他の面で評価が高ければ、総合的に判断して採用を決めることも当然あるだろう。最終的に採用するかどうかは、評価項目というよりは採否決定の基準の話になり、会社が重視することや採用の目的などに応じて変わってくる。

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著者プロフィール

  • 株式会社万葉 大場 寧子(カブシキガイシャマンヨウ オオバ ヤスコ)

    株式会社万葉 代表取締役社長。中学からプログラミングを始め、東京大学文学部卒業後、(株)ジャストシステム、ベンチャー企業、フリーランスを経て、2007年に万葉を設立。現役のRubyプログラマとして受託開発を続けている。Rubyアソシエーション評議員。著書『Ruby on Rails逆引きクイックリファレンス Rails 2.0対応』『たのしい開発 スタートアップRuby』。

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