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ITエンジニアに離職されないための「適切な評価」のガイドライン

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2018/05/30 06:00

 昨今のビジネスにおいて、ITは切っても切り離せいない技術となっています。そのためエンジニアの採用競争は熾烈さを増しており、エンジニアをなかなか採用できないという声をよく聞きます。また、エンジニアの採用に成功すれば、今度は適切に評価する必要があります。超売り手市場で転職先を見つけやすいため、少しでも不満があれば他社へ移ってしまうからです。しかし、エンジニアの評価は容易ではありません。そこで今回は、エンジニアを適切に評価するためのガイドラインを紹介します。

評価は何のため?

評価は必要?

そもそも、なぜ評価を行う必要があるのでしょうか。大まかにいえば、その意味は会社の期待値と社員の期待値の答え合わせでしょう。会社としては、ある期待値を持ってエンジニアを雇用しているはずです。それが定量的に図れるものなのか定性的なものであるのかはさまざまですが、会社はその期待値に基づいて報酬を決めています。この期待値のすり合わせがいわゆる目標設定に当たり、成果が期待値どおりであったかの確認(答え合わせ)が評価となります。

評価は報酬
のため?

当然ながら、会社側も社員側も、お互いの期待値に基づいて決まった報酬額が、成果に対して適正であったか(高すぎないか、安すぎないか)は気になります。一方で、報酬が適切に決まってさえいれば十分なのかというと、そうではありません。行動経済学では、報酬つまり外発的動機付けはむしろやる気を阻害してしまうため、内発的動機付けを行う必要があるという「アンダーマイニング効果」が指摘されています。このためによく行われるのが、その人の成果を正しく判定し、よいところは褒め、悪いところは反省を促すという、内発的動機付け(以下、単に動機付け)のための評価です。報酬のための評価と動機付けのための評価、これら2つを適切なバランスで行うことが極めて重要です。

評価の難しさ

評判と評価の
混同が原因

評価は非常に難しいとよくいわれます。評価するほうもされるほうも共に満足できる評価システムが組まれている会社は、まれではないでしょうか。

 評価の難しさの原因についてはいろいろいわれていますが、筆者は先ほど述べた、報酬のための評価と動機付けのための評価の違いを意識していないからではないかと考えています。報酬に関わるほうがいわゆる「評価」であるのに対し、褒めたり反省を促したりするほうは「評判」に近い側面を持っています。

 例えば、上司が部下を褒めたとき、部下にとっては「評価されている」と思ってしまいますが、それがすぐに報酬に結び付くとは限りません。報酬はどちらかというと成果など定量的で計測可能なものに関連しているのに対し、褒めるという行為は定性的で計測できないことに関連しているからです。

 つまり、次の2つを分けて考えなくてはならないということです。

  • 売上や利益など、数値化し計測できるものに対する評価
  • 行動や態度、振る舞いなど、数値化や計測ができないことに対する評価

 前者は目標に対する達成度で評価されるという点で、定量評価といえます。OKR[1]やMBO(いわゆる目標管理)などは前者に分類されます。一方、後者は「ある価値観」に沿った行動をしているかで評価されるという点で、定性評価といえます。

[1]: Objectives and Key Results(目標と主な結果)。Oは成し遂げたいこと、KRはそれを実現できたかどうかを判断する指標(クリスティーナ・ウォドキー著、二木夢子訳『OKR シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』より)で、KRに本人の能力を少し越えるくらいの目標を設定することで、Oの実現に近づいていく。

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