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大学3年生から就職活動を始めている学生にアプローチする方法――優秀生の宝庫を取りこぼすな

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Dento[著]
2018/06/04 06:00

 ごきげんよう、Dentoである。最近、就職活動の早期化が加速している。早くからキャリアを主体的に考える学生の割合が、少なくとも関東圏では増えている気がする。こうした学生にいち早くアプローチする方法について、近年の変化を含めてお伝えしたい。

著者のDento氏が運営する「20代〜30代のキャリアを考えるブログ」もあわせてご覧ください

早期に就職活動を始めるようになった背景

 学生が、就職活動を早期に始めるようになった理由には、大きく2つある。1つは、日本の有名な大手企業に入って定年まで勤めるというモデルが、以前より成り立ちにくくなったことだ。つまり、企業や学校から与えられた情報だけを見ていたら痛い目に遭う可能性があるということだ。例えば、大手銀行に盲目的に就職したら将来路頭に迷う可能性があることを、学生は気にしている。

 学生は、大手銀行が今後立ち行かなくなる問題について、本質的なところを理解しているわけではない。しかし、少なくともAIといったキーワードは認識している。そのため、「AIが普及すると銀行の業務は削減されて、人員がだいぶ不要になるのでは」というところくらいは想像が及ぶ。

 もう1つは、外資系企業やベンチャー企業の採用が増えたことだ。外資やベンチャーは経団連に加入していないため、採用のルールが実質ないに等しい。一部のベンチャーでは、大学3年生になる直前の2年生を対象にしたり、1〜2年生だけを対象にした就活イベントを実施したりしている。

 こうした外部環境の変化によって、学生は、早く始めざるを得なくなっているのである。

 知られているように、外資系やベンチャー企業では大学3年生の夏休みに内定が出る。そこで就職活動をやめる学生も少なくない。彼らにアプローチしたければ、夏休みまでいかに勝負するかが重要だ。

早期に就職活動を始めている学生の受け皿

 早期に就職活動を始めている学生の受け皿もでき始めた。大学3年生になりたての時期、彼らが力試しに参加できるインターンシップは少ない。そんな中、受け皿となっているのは、就職活動支援団体や就活サイトを運営する企業だ。特定の企業や団体を応援しているわけではないが、具体名を出すと、外資就活ドットコムを運営するハウテレビジョンによる「外資就活アカデミア」、ベンチャー就職支援に強いスローガンが運営する「FactLogic Executive」、外資系銀行や戦略コンサルタントのOBが非営利で運営する「YC塾」といった選抜アカデミーがある。

 他にもあるが、これらの企業や団体は、数人から数十人規模の少人数の塾を開催し、就活に必要なノウハウを伝えている。彼らにとってこの活動には、就活の最新情報が手に入る、優秀な学生にアプローチする広告商品を提供できるといった大きなメリットがある。

 選抜アカデミーへの参加が認められた学生は元からの能力が高く、教える分だけ成長していくのが特徴だ。また、彼らの間には横のつながりができ、インターンシップの前に優秀層の就活コミュニティが形成されている。当然、これに参加することは学生にとって大きなメリットだ。だが実は、採用企業にとっても有用な面がある。就活コミュニティに所属している1人にアプローチできれば、コミュニティ内で情報を拡散できるからだ。もちろん、悪い評判もすぐに拡散する。クローズドなSNSを見ていると、電話のしつこい企業は就活生内で悪く言われ、誰もエントリーシートを出さない企業となり果ててしまうので注意しよう。

 こうして早期(大学3年生の春)から就職活動を始める優秀な学生は、早い学生で3年の夏、遅い学生でも4年生になる前に就活を終えてしまう。たまに総合商社志望の学生が、内定を持った上で最後まで就活を続けることもあるが。

少人数と密接にコンタクトをとる手法をとっていこう

 早期から活動している就活生にアプローチするためには、少人数のコミュニティにコンタクトする方法を考えておいたほうがよい。慶應義塾大学や東京大学には就活に強いゼミや学科がある。ここに早い段階からアプローチできるとよい。就活情報であれば積極的に聞きに来てくれることも多いので、コンタクトを取ってみよう。

 コンタクトを取る役は、優れた学歴の人と、見栄えのいい経歴の人がよい。早稲田大学や慶應義塾大学にリクルーティングに行く際は、その大学のOBOGではなく、東大卒の社員を連れていっても何ら問題ない。最近であれば、海外大卒の人をリクルーティングの場に連れていくのも、学生が興味を持ってくれるので良い戦略だろう。合同説明会の際に、「海外大卒のあの人」という形で記憶に残れば第1段階はクリアだ。

採用活動に割く人員を前もって押さえておこう

 さて、企業の採用活動を見ていると、採用に失敗する原因の1つは、優秀な社員をリクルーティングにアサインできていないことにあると気づく。もちろん、優秀な社員であれば、利益を生み出す現場で多忙を極めていることだろう。人事もリクルーティングをお願いしづらいと思う。

 だが、リクルーティングの場にエース社員がいるのといないのとでは大きな差になる。エース社員に早めにコンタクトをとり、採用に巻き込もう。採用活動に出てほしい回数、優秀な学生がいた場合に個別面談をしてほしい人数を伝えておくと、頼まれる側も計画が立てやすいだろう。

片手間で新卒採用をやっていると間違いなく採用は失敗する

 もはや、新卒採用選任がいない状態で優秀な学生を採用するのは厳しい。もちろん、片手間でやっても、就活に出遅れて他社に受からなかった学生を採用するのは難しくないだろう。だが、優秀な学生を採用しろと上層部から言われているのなら、採用に時間を割くことができる人を置こう。連絡が遅い企業は学生から敬遠されるので、細かいオペレーションを迅速に実行できる人がいるとよい。

 ただし、昨今は学生も労働環境を気にしている。平日の深夜や日曜の昼間にメール連絡をすることがあると、「ブラック企業では?」と思われるので注意しよう。

サマーインターンシップまでに決着をつける企業も増加

 企業によっては、サマーインターンシップが始まる前から優秀な学生に目を付け、個別での食事会や面談を実施している。当然ながら、学生は個別でアプローチしてくれる企業に興味を持つので、早めから手を付けるのは良い採用戦略だ。サマーインターンシップの段階では、半ば意思確認になり、夏休みのうちに入社を決めてくれる事例もある。こうした事例はまだまだ多くはないが、毎年確実に数十社で起きている事象なので、参考になると思う。

 いずれにせよ、就活の早期化に企業も対応しなければいけないことは間違いない。

これからすぐにとるべき行動

 さて、本稿を見て、採用を急がねばと焦った採用担当者もいるだろう。出遅れてしまっていると感じた場合は、採用担当者を置き、ターゲットにしたい学生の採用状況を把握しよう。就活のやり方は大きく変わっているので、間違っても「私のときには~」という視点で採用活動を行わないほうがいい。1年前と今年で大きな変化はないだろうが、2〜3年経つと変化があるのが就職活動だ。常に学生から情報を吸い上げ、採用の情報を仕入れておこう。そして、社内の人員、予算、採用計画をしっかり把握した上で行動に移していこう。



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著者プロフィール

  • Dento(デント)

    自身の経験を基にトップ校の新卒学生から20代、30代に向けたキャリアアドバイスを数多く実施。キャリア論を発信したブログ「20代~30代のキャリアを考えるブログ」が多くのビジネスパーソンから支持される。
    20代~30代のキャリアを考えるブログ: http://www.careerhigh.jp

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