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「デジタルHR」の威力・成果に誰もが驚いた! データに基づく採用と育成の最前線――セプテーニ・ホールディングス 人的資産研究所 所長 進藤竜也氏

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2018/10/25 06:00

 人手不足が問題となる中、IT人材においても一人ひとりの資質や能力を正しく把握し、最適な環境を提供する仕組みの構築が求められている。これから検討という企業が多い中、株式会社セプテーニ・ホールディングスは人材データの収集と活用にいち早く取り組んできた。その成果は「IT人材ラボ Day 2018 Summer」(開催:8月27日、東京・大崎)の基調講演で紹介され、会場の聴講者を大いに驚かせ刺激した。本稿では、同社 人的資産研究所 所長 進藤竜也氏によるこの基調講演「デジタルHRノススメ」の模様をお伝えする。データドリブンの人材活用がどれほど強力なソリューションとなり得るのかを感じていただきたい。

デジタルHRの基準は育成方程式

 セプテーニ・ホールディングス(以下、セプテーニ)は、インターネットマーケティング事業やメディアコンテンツ事業を中心に手がけるグループ会社20社以上を統括する純粋持株会社である。進藤氏が所長を務める人的資産研究所は、グループの成長過程で蓄積してきた人材に関する膨大なデータを分析し、人材育成の構造を明らかにすることを目的として、2016年に設立された。研究自体は2011年から開始していたという。その背景について、進藤氏は次のように説明する。

進藤 竜也氏
進藤 竜也(しんどう・たつや)氏
株式会社セプテーニ・ホールディングス 人的資産研究所 所長。
2011年に早稲田大学創造理工学部を卒業後、株式会社セプテーニ・ホールディングスに新卒入社し、採用・育成・配置の分野にアナリティクスの技術支援を担当。現在は当分野の研究活動に専念するためのグループ内研究機関である人的資産研究所の所長を務めている。

 「社会構造の変化により採用・人材育成の難易度、重要性は増し続けることが予測されています。この環境下において、人事に期待される役割はますます大きくなるでしょう。限られた候補者から活躍する人材を目利きし、効率的に育成するシステムの有無が、企業の命運を分けると考えています」(進藤氏)

 セプテーニにおけるそのシステムの基礎となる考え方が、次に示す「育成方程式」で、「ある人の“個性”とその人を取り巻く“環境”の相互作用がその人の成長に影響を及ぼす」という法則を表している。セプテーニでは、創業当時から「個人がある環境に配属された時、どのぐらい成長したか」のデータを収集してきた。このデータをうまく使えば、個人が最も活躍できるポジションはどこかを導き出すことができる。

セプテーニの「育成方程式」
セプテーニの「育成方程式」

 また、育成方程式の左辺は「評判」、右辺は「相性」も示すという。評判を定量化する「評判スコア」とは、いわゆる360度評価に似たものであるが、一般的には平均で5名ぐらいの評価を行うのに対し、セプテーニでは平均20名の評価で実施しているのが特徴だ。スコアは0点から5点の数値で計測される。

 評判スコアには、直接的に営業成績には反映されない裏での献身的な働きや、周囲との関係性などが反映される。そのため、人材育成の成果を定量化する情報として有効なものとセプテーニでは位置付けている。また、評判スコアは営業成績などの客観的指標と相関関係があることも確認できていると、進藤氏は話す。

 もう一つの「相性スコア」は、その人の個性と置かれている環境(チームと仕事)という2つの視点から定量化するものである。相性スコアは、ヒューマンロジック研究所が提供する「FFS(Five Factors & Stress)理論」で明らかになっている関係性のアルゴリズムに、セプテーニのデータを掛け合わせて算出。同社では、採用や人材育成に役立てている。

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著者プロフィール

  • 冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

    IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタントとして活動中。ビジネスとテクノロジーのギャップを埋めることに関心があり、現在はマーケティングテクノロジーを含む新興領域にフォーカスしている。

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連載:「IT人材ラボ Day 2018 Summer」セッションレポート
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