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アジャイル開発のための組織づくりはまずカルチャーから、スキルは後からついてくる

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 プログラミングスキルチェックツールなどを提供するギブリーは10月18日、東京・六本木にあるPivotalジャパン イベントスペースにおいて、「アジャイル開発を実践するための組織の作り方~エンジニアのHR領域をサポート!」 と題したイベントを開催した。ギブリーが毎月開催するAgileHR dayの第5回として開かれたこのイベントでは、アジャイル開発技術者の育成支援を進めるPivotal Labsと、社内にアジャイル開発を積極的に採り入れてきたソフトバンクの2社より、アジャイル開発のための組織づくりに関する知見や経験が披露された。本稿ではその模様をレポートする。

パネリスト

  • 梅原一造氏(Pivotalジャパン株式会社 Pivotal Labsソフトウェアエンジニア)
  • 竜田 茂氏(ソフトバンク株式会社 テクノロジーユニット アジャイルデベロップメントセンター)

モデレーター

  • 新田章太氏(株式会社ギブリー 取締役・CSM(Customer Success Manager))

組織のカルチャーを変革しなければならなかった

 AgileHR dayは、エンジニアのHR(採用・評価・育成)に悩む現場エンジニアやマネージャー、人事責任者を対象に、成功体験や学びを提供するトークイベントだ。HR支援事業を展開する株式会社ギブリーの主催で、毎回「エンジニアのHR」に関する話題を採り上げてきた。

 5回目を迎えた今回のテーマは、「アジャイル開発を実践するための組織の作り方」だ。モデレーターとして開会の挨拶に立ったギブリーの新田氏は、「これまではHRに直結した取り組みをメインに採り上げてきましたが、エンジニアがより働きやすい環境を作るには“開発文化”も大切です。そこで今回は、アジャイル開発エンジニアの育成を支援しているPivotal Labsの梅原氏、社内に積極的にアジャイルを導入してきたソフトバンクの竜田氏、それぞれの立場から取り組みを語っていただきます」とこの回の趣旨を述べた。

 最初のトピックは、両社における「アジャイルHR」の定義。ここでいうアジャイルHRとは、アジャイル開発を行うための組織・チームづくりといったところだ。

 梅原氏は、アジャイル開発で最も重要なこととして「柔軟性」を挙げる。この柔軟性とは顧客の要求に柔軟に対応できる能力であり、開発エンジニアにとっては、ビジネスの現場の要求に応じたソリューションを実現するのに必要なスキルやフットワークを意味する。アジャイル開発を行う組織・チームには何より柔軟性が必要だと、梅原氏は説く。

 「アジャイル開発を実践するには、開発者、デザイナー(ユーザー視点)、プロダクトマネージャー(ビジネス視点)が1つのチームとなり、なおかつそのチーム内でスピーディに合意形成できることが大事です。それには刻々と変わる業務要件に応じて、チーム内で迅速に次のアクションを決める権限が与えられていることも重要です。いちいち上に報告して決済を待っていては間に合いませんから」(梅原氏)

梅原一造氏(Pivotalジャパン株式会社 Pivotal Labsソフトウェアエンジニア)
梅原一造氏(Pivotalジャパン株式会社 Pivotal Labsソフトウェアエンジニア)

 一方、竜田氏は「そもそもソフトバンクがアジャイル開発を導入したのは、それ自体が目的ではなく、組織のカルチャーを変革しなくてはならないという切羽詰った課題があったから」だと明かす。

 竜田氏の所属するIT本部は、ソフトバンクが自社で利用するシステムを開発・運用する部門だ。稼働しているシステムはソフトバンク本体だけで700システム。それを700名の社員と、業務委託先の協力会社で支えている。

 「社員の仕事が協力会社のマネジメントばかりになってしまい、社内のエンジニアの開発力や開発者カルチャーが停滞気味になっていました。そこで、この現状を変えよう! というのが、アジャイル開発を組織づくりに導入したきっかけです」(竜田氏)

 特に新人エンジニアの力量を高めることが将来を見据えた組織の基盤づくりであり、それをどのように実現していくか。竜田氏は「マネジメントの視点から取り組んでいく点を重視した」と語る。

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著者プロフィール

  • 工藤 淳(オフィスローグ)(クドウ アツシ)

    出版社や制作会社勤務の後、2003年にオフィスローグとして独立。もともと文系ながら、なぜか現在はICTビジネスライター/編集者として営業中。 得意分野はエンタープライズ系ソリューションの導入事例からタイアップなど広告系、書籍まで幅広く。

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