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アジャイル開発に踏み切れない要因を解消する「アジャイル開発コンサルティングサービス」、ポイントは場所・環境・人――日立製作所 向坂太郎氏、杉原優子氏

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 デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、市場ニーズやビジネスモデルの変化に即応できる「アジャイル開発」が注目を集めている。これに応えて日立製作所では、2019年2月から「アジャイル開発コンサルティングサービス」の提供を開始した。同サービスのユニークな点は、アジャイル開発に取り組もうとする企業に対し、必要なリソースを包括的に提供することで、すぐに本格的なアジャイル開発を業務としてスタートできる点だ。このサービスの詳細やユーザーのメリットについて、株式会社日立製作所 システム&サービスビジネス統括本部 アプリケーションサービス事業部 サービスソリューション本部 サービスビジネス推進部の向坂太郎氏と杉原優子氏に聞いた。

切迫感からアジャイル開発に取り組み出す企業が急増

 日立製作所では、今回のサービス提供開始の以前からも、顧客の要請に応じて個別にアジャイル開発支援を提供してきた実績がある。それを改めてサービスメニューとして打ち出した理由として、2018年に入ってアジャイル開発支援の要請がにわかに増えてきたことを向坂氏は挙げる。

 「お客様からの引き合いが急増した背景は、IoTでの情報活用や、SoE(Systems of Engagement)によるビジネスドリブンなシステム開発を目指す気運が、企業の間で盛り上がってきたことと推測しています。急激な市場の変化やDXの要請に、企業の側にも『いよいよ開発スタイル自体を変えないと!』という切迫感が出てきたのだと思います」(向坂氏)

向坂 太郎氏
向坂 太郎(さきさか たろう)氏
株式会社日立製作所 システム&サービスビジネス統括本部 アプリケーションサービス事業部 サービスソリューション本部 サービスビジネス推進部 主任技師。
1999年、日立製作所入社。金融系システム開発のプロジェクトに参画後、社内のフレームワークや開発環境、開発標準の整備など、ソフトウエア生産技術の開発・展開に従事。複数案件でのスクラムマスターの経験を踏まえ、現在はスクラムコーチとしてサービスをデリバリーする。

 これまで必要性は感じつつも対応を先送りしていたが、追い込まれることで、ようやく具体的なイメージが見え始めてきているのではないかと向坂氏は指摘する。

3つのサービスを軸にアジャイル開発のリソースをパッケージ提供

 「アジャイル開発コンサルティングサービス(以下、コンサルティングサービス)」の基本となるのは、以下の3つの開発アプローチによるサービスだ。

① 協創空間提供サービス
アジャイル開発を実践するために必要なプロジェクトルームと開発環境、豊富なアジャイル開発経験を持つ日立の開発人材を一括して提供。
② コーチングサービス
「認定スクラムマスター(CSM)」資格保持者を始め、日立のアジャイル開発技術者が、顧客のアジャイル開発導入および定着までを支援。
③ メソドロジーコンサルティングサービス
日立のアジャイル開発方法論である「HIPACE(アジャイル開発版)」を元にした、アジャイル開発のノウハウを活用して、顧客のプロジェクトに最適な開発方法論や社内規約の整備、標準化などをサポート。

 向坂氏によれば、企業がアジャイル開発を導入しようとしても、従来のシステム開発とは異なる多くのハードルがあり、なかなか実践に踏み切れないのが実情だという。たとえばアジャイル開発では、1つの場所または空間にお客様も開発者も集まって作業することで、コミュニケーションの効率を飛躍的にアップできる。だが実際に取り組もうとすると、他社の人を社内に入れることが規則で禁止され、複数ベンダーが参画しているプロジェクトでは作業場所を1つに集約できないケースもある。

 「それなら私たちが、必要な場所も技術も体制づくりも丸ごとパッケージで提供しようというのが、本サービスのねらいです。作業場所の確保や環境、人材の提供、さらにアジャイル導入全般にわたるコンサルティングなどによって、お客様が少ない労力と時間で、すぐにアジャイル開発を開始できる点が最大の特徴でありメリットです」(向坂氏)

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著者プロフィール

  • 工藤 淳(オフィスローグ)(クドウ アツシ)

    出版社や制作会社勤務の後、2003年にオフィスローグとして独立。もともと文系ながら、なぜか現在はICTビジネスライター/編集者として営業中。 得意分野はエンタープライズ系ソリューションの導入事例からタイアップなど広告系、書籍まで幅広く。

  • 市古 明典(IT人材ラボ ラボ長)(イチゴ アキノリ)

    1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、資格学習書と開発者向けWebメディア両方の経験を活かして「資格Zine」を立ち上げ。2017年7月にその拡張版として「IT人材ラボ」をスタートさせた。

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2019/05/27 06:00 /article/detail/1605
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