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新型コロナ禍によるリモートワークの普及は“メンバーを見ない”マネジメントを広める?

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2020/03/19 06:00

 新型コロナウィルスの感染拡大は、当たり前のように繰り返してきた“皆が集まり時間を共有して仕事をする”という働き方を見直す機会になっているように思います。事態が沈静化した後、元の働き方に戻す会社もあるでしょうが、社員の自律的な働き方をこのまま継続する会社も少なからず現れそうです。ただし、働き方が変わるということは、そのマネジメントの方法も変わっていかなければなりません。今回は、リモートワーク(テレワーク)が常態化した場合のマネジメントについて考えます。

新型コロナ禍がリモートワークを促進

 全世界が新型コロナウィルス禍によって大混乱しています。しかし、それでも可能な限り経済を回していかねばならないということで、ご存知のとおり、現在急速にリモートワークが広がっています。

 これまでいろいろと理由をつけて「難しい」と避けていた企業も、さすがに今の状況ではリモート化をせざるを得ず、ある調査によれば、現在ではおよそ8割の企業がリモートワークを導入しているとのことです。実際、会議やイベント、採用面接や会社説明会など、あらゆるものがどんどんオンラインで行われるようになっています。

働く人にとっては好評

 さらに、最初は不慣れでバタバタしたリモートワークに働く人たちも徐々に慣れてきて、今では「こんなメリットがある」「もっと早くやっておけばよかった」といった声がたくさん聞こえてくるようになりました。中でも通勤時の満員電車から逃れられ、負荷が減ったことが最も大きかったようです。それを見て、コロナ禍が終息した後でも、リモートワークは維持していこうという経営者もたくさん出てきました。おそらくリモートワークは定着するでしょう。

リモートワークの問題点は「見えない」こと

 さて、不幸中の幸いとして広まり、結果として好評なリモートワークですが、解決しなくてはならない問題点もまだまだあります。その根本問題はブラックボックスであるということです。

 マネジャーから見ると、自分のメンバーが今何をしているのかがなかなか分かりませんし、いちいち聞くわけにもいきません。そうなると、途中のプロセスが全然見えなくなってしまい、ただでさえ難しいマネジメントがさらに難易度を増してしまうように思えます。見えない相手をどのようにマネジメントすればよいのでしょうか。

「見える化」を志向せず「見えない」を前提に考える

 そのうち、新しいテクノロジーやサービスによって「見える化」され、リアルと同じような情報がオンラインでのリモートワークでも実現するかもしれません。しかし、私には筋が悪いように見えます。本連載は「コミュニケーション力やマネジメント力」を必要としない組織というのがテーマですから、むしろ、「いや、見える必要はないのだ」と開き直って、一度考えてみてはどうでしょうか。そもそもリモートワークはコロナ禍以前でも2割程度の人はやっていた働き方です。やってやれないことはないはずです。

「成果」にせよ「業務」にせよ明確化する

 では、「見えない」状態でのマネジメントに必要なことは何でしょうか。それは、これまでも長年ブラックボックスでやってきた「業務委託」と同じく「結果」の明確化です。

 業務委託とは、成果物を出すことで報酬を受け取る「請負」と、決められた業務を実行することで報酬を受け取る「委任(法律行為以外は準委任という)」の総称です。同様に、リモートワークにおいても、メンバーに期待する結果が「成果」なのか「実行」なのかをはっきりさせることが必要です。これまでもMBO(目標管理)などでやってきたことですが、さらに明確化しなければなりません。

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著者プロフィール

  • 曽和 利光(ソワ トシミツ)

    1995年京都大学教育学部教育心理学科卒業。同年株式会社リクルート入社。人事部にて採用・教育・制度・組織開発等の担当、HC(Human Capital)ソリューショングループでの 組織人事コンサルタントを経て、人事部採用グループのゼネラルマネジャーとして最終面接官等を担当。2009年ライフネット生命保険総務部長、オープンハウス組織開発本部長等。ベンチャー企業の人事責任者を担当。2011年株式会社人材研究所(Talented People Laboratory Inc.)設立。代表取締役社長就任。現在、リクナビ企業側画面で、コラム「採用の教科書」を連載中

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