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データで明らかに! 中途入社者が離職せずハイパフォーマーになる継続的オンボーディングとそのポイント

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2020/04/08 06:00

 人口減少が進む中、多くの企業が人材採用に苦戦を強いられています。特にIT業界の人材争奪戦は激しさを増すばかりです。それなのに、入社後半年以内に辞めてしまう人が多いという現実。中途入社者を定着させるために、企業はどのような対策をすればよいのでしょうか。本記事では、リクルートキャリアが実施した「中途入社後活躍調査(2018年~2019年)」から見えてきた、中途入社者定着の課題および対策を、前後編でご紹介します。前編では、中途入社者のパフォーマンスを高める&離職を防ぐための「オンボーディング」のプロセスと重要なポイントについてお伝えします。

中途入社後活躍調査(2018年~2019年)概要

中途入社後活躍調査 第1弾&第3弾
  • 実施期間:2018年2月26日(月)~2月28日(水)および3月28日(水)~3月30日(金)
  • 調査対象:過去5年以内に従業員数300名以上の企業に正社員・正職員として中途入社された方
  • 回答数 :5378名
  • 調査方式:Webを使用したアンケート
中途入社後活躍調査 第2弾
  • 実施期間:2019年2月26日(火)~3月4日(月)
  • 調査対象:過去1~3年以内に従業員数300名以上の企業に正社員・正職員として転職された方
  • 回答数 :946名
  • 調査方式:Webを使用したアンケート
「中途入社後活躍支援メソッド」ブックレット

日本語版(PDF)英語版(PDF)

導入研修だけでは不足、「オンボーディング」活動が重要に

 リクルートキャリアが企業の人事部に行ったアンケート調査(2018年9月実施)によると、中途入社して半年以内に離職した社員の数は、過去3年と比較して「増えた」との回答が2割を超えています。

過去3年と比較して入社半年以内に離職した社員数
過去3年と比較して入社半年以内に離職した社員数
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 中途採用者の受け入れに際しては、人事担当者が「導入研修」を行って就業規則やツールの使い方など「働く上で最低限知っておくべきこと」を教え、その後は配属先の上司に任せる……という企業が多く見られます。しかし、企業側の「採用目的」と採用された側の「転職目的」のすり合わせが不十分なままだと、「こんなはずじゃなかった」が発生します。

 企業・中途入社者双方にとって、内定はゴールではなくスタート。双方の目的が叶えられてこそ、中途採用活動・転職活動が成功したといえるのではないでしょうか。

 そこで重要なのが、“導入研修だけ”にとどまらない「オンボーディング(on-boarding)」活動です。これは、直訳すると「船・列車・飛行機に乗り込んでいる」という意味であり、現在は「企業への入社者の受け入れ」を表す人事用語としても使われています。

 オンボーディングは「採用して終わり」でも「入社時だけ」でもありません。入社前から始まり、入社後も続く、企業と中途入社者との重要なコミュニケーションプロセスです。

入社前に「人事によるRJP」で不安を解消する

 まずは、「入社前」に着目してみましょう。求職者は「入社する」という意思決定はしていても、不安がすべて解消されているとは限りません。人事担当者は「何を不安に感じているのか」をつかみ、その不安の解消に努める必要があります。

 では、求職者は何に不安を抱いているのか。その不安の多くは「わからない」から生まれています。給与・労働時間・勤務地・福利厚生などは、内定時の条件通知書や企業ホームページでわかりますが、「実態」はわかりません。例えば、「給与」は会社の業績や個人の業績によってどの程度変動するものなのか、有給休暇や福利厚生制度を実際に使っている社員がどれだけいるのか。また、異動や転勤の可能性はあるのか、どんなキャリアを歩めるのか――など。

 そんな不安を解消するのが、人事担当者による「リアリスティック・ジョブ・プレビュー(RJP)」。仕事や会社について、リアルな情報を事前に開示することです。

 応募者・内定者は上記のような不安を抱いていても、マイナス印象を与えることを恐れて質問できずにいます。結果、入社してからギャップを感じると、「確認しておけばよかった」と後悔し、不満を募らせることになります。

 ただし、自社のあらゆる情報をすべて開示すればよいわけではありません。「知りすぎる」ことで逆に新たな不安を生む恐れもあるからです。ポイントは、「本人にとって重要なこと」を包み隠さず開示すること。それは、担当職務内容かもしれませんし、あるいは人間関係、あるいはワークライフバランスかもしれません。

 その人は、何を変えたくて、あるいは何を得たくて今回の転職に踏み切ったのか――その「目的」を正しくつかみ、それに沿った情報を入社前に開示しておくことが大切なのです。

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。



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著者プロフィール

  • 高森 純(タカモリ ジュン)

    株式会社リクルートキャリア 事業推進室 インキュベーション部 リファラルグループ マネジャー。外資系コンサルティング会社を経て2012年にリクルートキャリアに入社。グローバル人事、ピープルアナリティクス、入社後活躍等の新領域の事業開発に従事。現在はリファラル採用支援サービス『GLOVER Refer(グラバー・リファー)』の責任者を務める。

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