Shoeisha Technology Media

IT人材ラボ

記事種別から探す

連日の残業から抜け出すためのLPIC取得が、仕事と育児の両立や勉強会の開催を実現する力の礎になった

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
平 愛美[著]
2017/03/28 08:00

 どのメーカーやディストリビュータにもよらない中立公正な立場でLinux技術力を評価する資格「LPIC(Linux Professional Institute Certification)」。今も高い人気を誇っています。本稿では、LPICの最上位資格レベル3「LPI-304 Virtualization & High Availability」まで取得した、株式会社サーバーワークス クラウドインテグレーション部 MSP課の平 愛美さんが、クラウドエンジニアを目指してLPI-304を取得するまでの経緯から、試験合格に役立つポイント、取得により得たメリットなどを語ってくださいます。仕事だけでなく、人生にも広がりが出て豊かになったという平さんのお話は、これからLPIC取得を目指す方のモチベーションを大いに高めてくれるでしょう。(編集部)

「知識不足ゆえに残業続き」からの脱出作戦

私は現在、株式会社サーバーワークスに勤務し、クラウドエンジニアとして働いている。クラウドエンジニアになる過程でLPICレベル1、レベル2、そしてレベル3を取得してきたが、それはエンジニアとしてのスキルが身に付くだけでなく、それ以上の効果をもたらしてくれた。本稿では、LPICレベル3「LPI-304 Virtualization & High Availability」(以下、LPI-304)まで取得したことによって仕事や人生がどう変わったのか、私の経験をお伝えしようと思う。

LPIC-3 Specialty LPI-304 Virtualization & High Availabilityのロゴマーク
LPIC-3 Specialty LPI-304 Virtualization & High Availabilityのロゴマーク

まずは、私がLPIC取得に挑むに至った経緯から。

そもそも、ITエンジニアになろうと思ったきっかけは、学生時代に趣味で自分のWebサイトを持ったことだった。卒業後に上京して、第二新卒で念願のSI企業に入社。それから1か月後、大手電機メーカーのECサイトを担当することになった。

しかし、待っていたのは、帰宅が終電近いこともしばしばという日々。Unix/Linuxで行う業務は初めてで、知識が決定的に不足していたことが原因だ。

自宅と職場の往復だけで毎日が終わるのではなく、プライベートも充実した生活を送りたい。それにはスキルだ。自分にもっとスキルがあれば、残業の泥沼から抜け出せるはず――そう考えて目標にしたのが、Linuxエンジニアの認定資格であるLPICの取得だった。

つまり、「LPICを取得する」という私のチャレンジは、いわば自分の生活を取り戻すことが目的で始まったわけである。

資格取得に成功するための3つのポイント

LPICを取得するという目的は、その後、達成することができた。そのときに得た3つの学習ポイントをここで紹介する。LPICだけでなく、他の資格でも応用可能だと思うので、ぜひ参考にしてもらいたい。

【ポイント1】学習計画を立て、先に試験を予約してしまう

平日と休日、それぞれどの程度学習できるのか。まずはこの自身のペースを把握して、カレンダーの予定に学習スケジュールを入れておこう。どうしても学習時間が足りないときが出てくるが、私は通勤時間中・昼休み中に学習時間を捻出した。

また、目標を達成するために、可能であれば先に受験予約を取ることをお勧めする。このとき、受験日時は何日前まで変更可能なのかも調べておこう。そうしておけば、予定外の業務や体調不良などが発生した際、無理せずに別日程へ変更できるからだ。

【ポイント2】ご褒美作戦によるモチベーションの維持

試験に合格したときに出す自分への「ご褒美」を決めると、学習意欲は格段に高まる。私の場合、「資格を取得したら、趣味としてカメラを始める」といったご褒美をセッティングした。実際、欲しい一眼カメラを手に入れた自分をイメージしながら継続して学んでいくようにしたら、集中力が増した。

ただの口実になっているだけかもしれないが、モチベーションを維持をするための工夫をしよう。

【ポイント3】実機やクラウド環境で手を動かして学ぶ

実機で手を動かしながら学び、教科書で繰り返し学習することにより、脳内に知識が蓄積されていく。一度で覚えられなくても諦めないでほしい。反復学習することで、確実にスキルとして身に付いていくからだ。

業務で習得した以外の出題範囲については、LPICの教科書と、実機のLinuxマシンを動作させて学習した。最近では「Raspberry Pi」という小さく安価なマシンにLinuxをインストールすることで学習環境が手に入る。実機の用意が難しい場合は、Amazon EC2やさくらのVPSなどのクラウド環境を活用する方法もある。

これらを利用できるようになったことで、実機で学ぶ敷居は確実に下がっている。実機を使った学習はぜひ行ってほしい。

LPICの取得はその後の人生を大きく開かせるきっかけに

LPICのレベル1を取得した後も学習を続け、結果的にレベル2、レベル3(301)まで取得することができた。すると、仕事に目を見張るような効果が現れた。まず、自分からプロジェクトに積極的に参加するようになった。業務も安心して任せてもらえるようになり、実践的な構築業務や運用業務の主担当に抜擢されるまでになった。構築・運用の業務を一通り経験し、一人前のエンジニアとして認められるようになったこともあるが、資格取得が自信につながったことが何より大きいと思う。

ちなみに、LPICの認定者は名刺へのロゴ使用が認められている(LPI-Japan「LPIロゴの使用について」)。初対面のお客様と打ち合わせるときなど、自身の経歴を紹介せずとも名刺に印刷されたロゴで、この人はLinuxのスキルがあるのだと一目で理解してもらえる。そういった安心感を与えてくれるのも、LPIC取得のメリットだろう。

もちろん、当初の目的どおり、残業を減らすことにも成功した。定時で帰ることができるようになり、プライベートも充実して人生がより豊かになった。さらに、仕事以外へ視野が広がり、それが仕事の生産性を向上させていることも感じた――この気付きが、その後、自分の人生を大きく開かせることになる。

平さんのLPI-304 Virtualization & High Availability認定証
平さんのLPI-304 Virtualization & High Availability認定証

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • 平 愛美(タイラ マナミ)

    株式会社サーバーワークス クラウドインテグレーション部 MSP課にて、取り扱い製品サポートの業務改善を担当。オンプレミスで培ったスキルとクラウドのスキル、SaaSの知識などを組み合わせてDevOpsにも取り組む。

    2006年に地元熊本の大学を卒業後、中堅SIerでサーバーエンジニアとして6年間勤務。LPICレベル3 304(LPI-304 Virtualization & High Availability)の取得をきっかけとして、2013年4月に株式会社サーバーワークスに入社し、クラウドエンジニアへ転身。出産・育児で同社を一時離れたのち、2016年12月にサーバーワークスへ再入社して現職。

    離職中、テクニカルライターの仕事を行う傍ら、Linux女子部TechGIRLなどのエンジニア向けイベントの運営に携わる。主な著書は、『改訂3版 Linuxエンジニア養成読本』(寄稿、技術評論社 刊)、『Linuxシステム管理標準教科書』(共著、LPI-Japan)など。

バックナンバー

連載:もっと大きな声で伝えたい! 「受験体験記」ゴールド
All contents copyright © 2017 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.0