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UZUZが明かす、第二新卒・既卒のエンジニア就活で採用後の“伸び”まで左右する重要なもの

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 第二新卒と既卒に特化した就活支援サービスを提供する株式会社UZUZ。成功をより確かなものにするために、インフラエンジニア向けコースやプログラマー向けコースなどの研修と組み合わせた就活サポート「ウズウズカレッジ」も展開している。同社はなぜ新卒ではなく、第二新卒や既卒に注目したのか。新卒と第二新卒・既卒とはどのような点が異なるのか。また、第二新卒や既卒を採用する企業が求めているものは何か。株式会社UZUZ 専務取締役 川畑翔太郎氏にうかがった。

重要なのは知識よりコミュニケーションスキル

――御社が第二新卒に注目し、ITエンジニアに特化したサービスを立ち上げた背景について、教えてくださいますか。

 弊社ではもともと、第二新卒や既卒[1]に特化した就活のサポートを提供してきました。就職の6割はITエンジニアという状況で、開発系のプログラマーやSEといったケースもありますが、何といってもインフラエンジニアが多かったんです。というのも、インフラエンジニアの運用・保守業務は需要が高く、文系や未経験の方も採用対象ですし、将来的には設計・構築というもう少し専門性の高い領域に行けるという魅力がありますから。弊社でも積極的に紹介してきました。

 当初は、一人ひとり個別に就職のサポートをしてきました。例えば、求職者1人当たり20時間の面談を設けています。ただし、そのために個別にサポートできる人数に限度があります。一方で、市場にはインフラエンジニアに対する大きなニーズがあり、求職者も大量にいるという状況です。もう少し効率的にサポートできないかと模索する中で、研修形式でのサポートを始めることにしました。それが「ウズウズカレッジ」です。現在、ウズウズカレッジのエンジニア系コースには、インフラエンジニアコースプログラマーコースの2つがあります[2]

川畑 翔太郎氏
川畑 翔太郎(かわばた しょうたろう)氏
1986年生まれ、九州大学 機械航空工学専攻。大学卒業後、住宅設備メーカーINAX(現:LIXIL)に入社。キッチン・洗面化粧台の商品開発に携わるも、高校の同級生である今村からの誘いと自身のキャリアチェンジのため3年で退職し、「UZUZ」立ち上げに参画。第二新卒・既卒・フリーターの就活支援実績は累計1000名を超える。

――各コースがスタートしたのはいつですか。

 インフラエンジニアコースは去年7月、プログラマーコースは今年7月に本格的に開校しました。今ではインフラエンジニアコースに約50名、プログラマーコースに十数名が在籍しています。

 受講期間は、インフラエンジニアコースが4週間です。その間に情報処理技術者試験のITパスポートや、シスコ技術者認定のCCENTを取得するところまで勉強しつつ、並行して就活に取り組んでもらいます。一方、プログラマーコースの受講期間は8週間です。最初の4週間は座学で、Javaプログラミングを学んでもらいます。その後ソフトウエアを実装し、その発表会で披露します。また、こちらも学習と並行して就活を行います。

 プログラマーコースが、インフラエンジニアコースの2倍の期間をとっているのは、適性を見極めないとミスマッチになってしまうためです。プログラムを組むという業務の特性上、文系出身の人にとっては、プログラマーを目指すほうが一般にハードルが高いと考えています。

――第二新卒の人の前職には、どのようなものが多いのでしょうか。

 文系の第二新卒の場合、営業職だったケースが多いです。ただ、営業職はノルマがあったり社内での競争があったりと厳しい世界。そもそも口下手で売り込みができず、辞めてしまう人もたくさんいます。辞めた後は事務職か公務員を目指すと言い出す方が多いのですが、公務員は試験に合格しないといけないし、事務職(正社員)の有効求人倍率は非常に低いのです。

 文系出身の男性が営業職を辞めると、他に選択肢が見当たらなくなります。コツコツ勉強することが得意なのであれば、専門性を身につけて今後は自立しようと考えて、ITエンジニアを目指す人が出てきます。文系出身でコミュニケーション能力が多少ある人はプログラマーではなく、その強みを活かしてインフラエンジニアを志望されますね。

――既卒の人がITエンジニアを選ぶ理由は何でしょうか。

 既卒の人は、就活時に方向性を定めることができず就職に失敗した後、無理に就職をするのではなく、とりあえずアルバイトでもいいやと1年、2年と過ごしているケースが多いんですね。それで久しぶりに同級生と会うと、自分だけ取り残されているという感覚を持ってしまうようです。それで急に危機感が生まれ、就職しないといけないと思って、弊社にいらっしゃったりします。

 ただ、最初はITエンジニアを志望していないことのほうが多いんですよ。既卒の方の場合、心底やりたい仕事があるわけではなく、何かやりたいことを言わないといけないという固定概念から、好きなことかイメージできる仕事を志望します。例えば、旅行が好きだから旅行会社に行きたいとか、ファッションが好きだからアパレルの店員になりたいとか。あと、アルバイトで塾講師をしていたことから、教育分野に携わりたいという人も多いです。

 しかし、大学時代にアルバイトをして、そこから入社するような業界――教育業界、アパレル業界はまさにそうですが、離職率がとても高い。なぜかというと、業務をイメージしやすく志望者が多いため、雇用条件をそこまで良くしなくても採用できてしまうのです。その結果、人はどんどん辞めていってしまう。要は供給過多なのです。

 やりたいことはないけれど自立はしたい――既卒の人にはそういう動機が多い。すると、安定した仕事、専門性を身に付けられる仕事に魅力を感じます。しかし、最初から専門性の高い仕事はできないし、自信もない。ですので、システムの運用・保守業務のような初歩的な仕事から業務を始めて、将来的により専門的な業務にステップアップできる職種は最適といえます。システムの運用・保守業務は業務マニュアルも整備されており、接客のアルバイトなどで培ったコミュニケーション能力も活かせます。

[1]: 学校を卒業したが、就職していない人のこと。

[2]: ウズウズカレッジにはそのほか、営業コース、ハイブリッドコース(営業とインフラエンジニアの掛け合わせ)、CADエンジニアコースがある。

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著者プロフィール

  • 八鍬 悟志(ヤクワ サトシ)

    都内の出版社に12年勤めたのちフリーランス・ライターへ。得意ジャンルは労働者の実像に迫るルポルタージュと国内外の紀行文。特にヒンドゥ教の修行僧であるサドゥを追いかけたルポルタージュと、八重山諸島を描いた紀行文には定評がある。20年かけて日本百名山の制覇を目指しているほか、国内外を走るサイクリストとしての一面も。

  • 市古 明典(IT人材ラボ ラボ長)(イチゴ アキノリ)

    1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、資格学習書と開発者向けWebメディア両方の経験を活かして「資格Zine」を立ち上げ。「IT人材ラボ」はその拡張版となる。

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