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自宅でもカフェでも研修用の環境で実習できる「クラウドラボ」、ただのLPIC合格で終わらせない!

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課題数はたっぷり、実習環境では課題以外のコマンドも自由に実行可能

 クラウドラボ体験当日、市古編集長が向かったのは、東京・品川駅からほど近い富士通ラーニングメディアの品川ラーニングセンター。現れたうさぎ面(づら)に軽いショックを受けた様子の野口氏であったが、温かく迎えてくださった。

 受講者が申し込みを済ませると、富士通ラーニングメディアからメールで受講の手順が案内される。メールで案内される研修Webサイト「KnowledgeC@fe」にアクセスして「マイページ」を開くと、受講中の講座一覧が表示される。対象講座の「受講する」をクリックすると、実習環境へのアクセスが始まる。なお、VPN接続に必要な情報(ユーザー名やパスワードなど)もメールで案内される。

富士通ラーニングメディアからメールで届く受講手順の案内
富士通ラーニングメディアからメールで届く受講手順の案内

 実際にリモート接続ソフトでアクセスできると、次のようなLinux(CentOS)のデスクトップ画面が表示される。「まず最初に読んでください」のアイコンをクリックすると講座の案内が表示される。案内ではブラウザ(Firefox)を起動するよう指示が書かれており、ブラウザを起動すると実習課題を確認できる。

リモート接続で実習環境にアクセスするとLinux(CentOS)のデスクトップが表示される
リモート接続で実習環境にアクセスするとLinux(CentOS)のデスクトップが表示される

 本コースではLPIC Level1を対象としているため、認定取得に必要な「101試験」と「102試験」の2試験に対応した実習ができる。課題は全部で60問。一見して「意外と少ない?」ように感じられるが、ここが試験対策問題集とは異なるところだ。

 問題の下にあるのは解答の選択肢かと見間違えるが、実際には1つ1つがすべて課題。実際にコマンドを打つなどしてこなしていく。ここが実習たるところだ。

 例えば、ある設問では「/proc 配下のファイルを利用し、以下の情報を cat コマンドで表示してください」とあり、その下に5つの項目がある。1つめの項目は「搭載されているCPU」だった。同じ「cat」コマンドでも調べたい情報ごとにファイルが異なる。それらを区別することが課題であり、ひいてはLPIC受験対策になる。

 上記の設問で1つめの項目なら、コマンドラインからcat /proc/cpuinfoと入力する。繰り返すが課題に対する正答は選択肢で選ぶのではなく、自分でコマンドを入力し、システムからの戻りを自らの目で確認することとなる。そのため、問題集にある課題を解くのと比べると課題1問あたりの重みが違う。記憶にもしっかり残るだろう。

実習環境でターミナルエミュレータを開き、コマンドを入力して課題をこなしていく
実習環境でターミナルエミュレータを開き、コマンドを入力して課題をこなしていく

 ちなみに、/procディレクトリの中身を見たこともなければ、そもそもLinux管理の経験もゼロだという市古編集長は、せっかくの課題を「なるほど~」とただただ手を動かすのみであった。

 なお、課題は試験範囲に応じて用意されているものの、コマンドは自由に実行できる。この実習環境でできることは無限大ともいえる。利用可能な期間内は課題をすべてこなしたとしても、存分にコマンドを入力して試すといいだろう。ただし、IPアドレスやカーネルパラメーターなど、ネットワークやシステムの設定を変更するコマンドを実行してはいけない。実習環境への接続が切断されてしまうためだ。実習環境の特性上、いくばくかの制約がある。

 本コースでは受講者は課題に沿ってコマンドを入力しながら、Linux操作を実体験していく。問題集のように単に設問と正答をセットで暗記するのではなく、自由に手を動かしながらあれこれ試すことができるのがいいところだ。

環境の構築不要、PC1つで学習を始められるのがうれしい

 あらためてクラウドラボを見ると、実習環境に課題と解説がセットになったeラーニング教材といえる。受験予定者だけではなく、Linuxの実習を深めたいエンジニアによさそうだ。大きなメリットは環境構築の手間が省けることになる。

 技術者試験を受験するのだから、対象となる環境を構築するのも実習の一環となるだろう。ただし、技術によってはネットワーク機器や特定のソフトウェアが必要とし、個人では環境構築が難しいものもある。これは技術を習得しようとする初心者にとって最初のハードルでもある。これを払拭できるのがクラウドラボだ。

 野口氏は「クラウドラボは実習環境だけではなく課題がセットとなっているため、学習を効率的に進めることができます」と話す。

 確かに。もし自由に使える実習環境があったとしても、課題や目的がなければ初心者は何をしたらいいのか途方にくれてしまう。実習は環境と課題がそろってこそ意味がある。

 実習を重ねることが大切なのはどの技術にもいえることだが、LPICには特に必要だ。LPICの資格取得者に試験対策を聞くと、異口同音に実習の必要性が指摘されている。LPICは記憶力だけで乗り切る試験ではなく、Linux操作経験で得た知見が問われる試験だ。そのため実習を重ねることはLPIC試験対策はもちろん、その後の業務にも役立つはずだ。

 本コースは新人研修や座学などで基礎知識を学んだ後の実習にもいいだろう。知識を定着させ、理解を深めるにはやはり手を動かす時間が必要だ。クラウドラボの実習環境はLinux技術を学び理解を深めるにはいいスタート地点となりそうだ。

富士通ラーニングメディア ナレッジサービス事業本部 第一ラーニングサービス部 野口耕佑氏

野口耕佑(のぐち こうすけ)

株式会社富士通ラーニングメディア
ナレッジサービス事業部 第二ラーニングサービス部

2009年に富士通ラーニングメディアに入社。Linux系コースを中心に担当。その他、PostgreSQL、Webシステム基盤、Windows Server などの研修に従事。講師業を通じて習得した知識を用いて、クラウドラボなどの研修用システムの構築も行う。

もっと詳しく知りたい方はこちらへ!

クラウド上の実習環境にインターネットを介して接続することで、いつでも、どこでも実習ができる「クラウドラボ」にご興味をお持ちの方は、富士通ラーニングメディアのWebサイトをご覧ください。



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著者プロフィール

  • 加山 恵美(カヤマ エミ)

    フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。 Webサイト:http://emiekayama.net

  • 市古 明典(資格Zine編集長)(イチゴ アキノリ)

    うさぎ化してますが、1972年の子年生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。資格学習書と開発者向けWebメディア両方の経験を活かして、ITエンジニアのスキルアップを支援できればと思い「資格Zine」を立ち上げた。なお、9月から翌年2月まではNFL観戦のため、常時寝不足。

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連載:【富士通ラーニングメディア】のすごいIT研修 体験記
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2017/06/26 20:29 /article/detail/100
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