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クラウドテクノロジーを戦略的に活用できるDigital Readyな人材を育てる――クラウド認定評議会代表 Mark O'Loughlin氏

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 利用がますます拡大するクラウド。もはや、クラウド利用抜きにビジネスモデルを検討することはありえないだろう。一方で、クラウドに対する正しい理解をしないまま、ガバナンスが利かないままに利用だけが先行している実態もある。こうした危険な状況を鑑み、米国で設立されたのが「クラウド認定評議会(Cloud Credential Council)」である。本稿では、同評議会で代表を務めるMark O'Loughlin氏に活動の目的・内容などを聞いた。

設立目的はクラウドに関する認識のギャップを矯正すること

――クラウド認定評議会(以下、CCC)はなぜ設立されたのでしょうか。

 デジタル全盛の時代の中、CCCは2つの目的で設立されました。一つはITプロフェッショナルの方たちに新しいテクノロジーへの準備をしていただくこと。もう一つは、ベンダーニュートラルな資格を作ることです。AmazonやMicrosoftといった特定の企業に固定しない、世界に幅広く通用する資格を提供したいと考えています。

 現在、私たちは「RU Digital Ready?(人も組織も、デジタルになる準備はできていますか? RU = Are you)」と顧客の皆さんに問いかけています。ベンダーニュートラルな資格を取得した組織の方であれば、この問いに答えられるでしょう。テクノロジーの動向に対しては、個々人はもちろん、組織としても対応していかなければならないのです。

 また、現在でも同じ状況が続いていると感じていますが、CCCの設立当時、組織の方々が持つクラウドへの認識や知識と、実際の活用状況との間に大きなギャップがありました。ギャップとは、例えばクラウドを使った戦略、セキュリティに対しての認識、あるいはサービスマネジメントへの認識などです。中でも一番問題と感じたのは、クラウドに対する認識の差です。「クラウドコンピューティングとは何ですか?」と10人に聞くと、10人とも異なる返事をする。

 そこで私たちは「クラウドコンピューティングとは何か」という問いに皆さんが同じ答えを出せるようにするため、専門のコースを設置しました。

Mark O'Loughlin氏
Mark O'Loughlin(マーク・オロフリン)氏
クラウド認定評議会代表。
90年代よりIBMにてITサービスマネジメント(以下、ITSM)を主軸とした業務に関わり、その後ITSMコンサルタントとして活躍。2010年からはitSMFアイルランドのディレクターに就任し、ITILの2011版アップデートの際にはレビュアーとしてプロジェクトにも参画。CCCでは、ベンダーニュートラルな観点でクラウドをはじめ、ビッグデータやIoTの重要性の啓蒙活動を目的としている。

――どのようなコースがあるのでしょうか。

 一つはPCSM(Professional Cloud Service Manager)というコースです。日本でPCSMのトレーニングを実施した初日、「クラウドコンピューティングとは何か」と質問をすると、皆さんそれぞれ異なる内容を回答されました。ITスキル標準(ITSS)レベル4くらいの方々、いわばITのプロフェッショナルでもそのような回答だったのです。しかし、3日間のコースを終えた後に同じ質問をすると、皆さん同じ答えを持っていて、なおかつクラウドの複雑性についての理解まで到達していました。このようにCCCのトレーニングによって、クラウドへの認識のギャップは解消されていきます。

 それとCCCは現在、IoTとビッグデータにも力を入れており、IoTF(Internet of Things Foundation)、BDF(Big Data Foundation)というコースをリリースしました。今後はCCCが網羅性を高められるように、アドバンスコースを開発していく予定です。最近ではブロックチェーンなど新しい技術が出ているので、我々のカリキュラムもそれらを包括するように組んでいます。

――入門コースのCTA(Cloud Technology Associate)も実践的な内容なのでしょうか。

 そうです。CTA[1]は2日間のコースで、仮想マシンを使ったラボによる実践的なカリキュラムを組んでいます。重要なクラウドテクノロジーの要素を学ぶことがメインになっているので、IT入門レベルの方ももちろん、ITとは関係ない方、たとえば営業、マーケティング、マネジメントレベルの方も概要を把握するのにオススメです。クラウドはIT部門だけでなく、会社全体に影響を及ぼしますから。

[1]: 日本国内におけるCTAと同等の資格は、EXINの「Cloud Computing Foundation」およびCompTIAの「Cloud Essentials」。

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。



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著者プロフィール

  • 市古 明典(IT人材ラボ ラボ長)(イチゴ アキノリ)

    1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、資格学習書と開発者向けWebメディア両方の経験を活かして「資格Zine」を立ち上げ。「IT人材ラボ」はその拡張版となる。

  • しらた まよ(シラタ マヨ)

    プログラマー、システムエンジニアを長年経験し、現在はライター、編集サポート、一児の母、学校ボランティア等を兼務。プログラミングやデータベースといったITに関する情報、子育て情報から生活の小ワザまで、「難しいことを、誰にでもわかりやすく」をモットーにお伝えしています。

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