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Linux Essentialsと同DevOpsを日本国内でも積極展開、LinuCとは別に歩んでいく――LPI本部代表 G・マシュー・ライス氏ほか

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 昨年7月に設立されたLPI(Linux Professional Institute)日本支部。それからどんな活動を展開し、現在は何に注力しているのか。先般、来日したLPI本部代表のG・マシュー・ライス氏と、同パートナーディレクターのラファエル・ペレグリーノ・ダ・シルバ氏、そしてLPI日本支部 コミュニケーション・ディレクターの伊藤健二氏に話を聞いた。

LPIC認定試験の動向、LinuCとの関係は

――LPIの日本支部を設立して8ヶ月が経ちました。この間にどのような変化がありましたか。

G・マシュー・ライス(以下、ライス):ほとんどの方はご存じだと思いますが、バージョン5.0のLPIC1をアップデートしました。これはうまくいきまして、リリースも問題なくできています。

――バージョン5.0では何が変わったのですか。

ライス:よりクラウドを想定した内容にシフトしています。

――LinuxのサーバーOSという面について試験を強化したということですか。

ライス:そうです。ハードウェアでも仮想環境でもそうです。一部の人はLinuxをすべてデスクトップで使うと主張していますが、まだデスクトップの日は来ていません。エンジニアがLinuxをサーバーではなくデスクトップで使うようになると、よりフレッシュなスキルが得られると思うのですが、我々はみなさんに特別なスキルを持ってほしくてこの試験をやっています。

G. Matthew Rice氏
G. Matthew Rice(G・マシュー・ライス)氏
Linux Professional Institute Exective Director。
LPIで製品および資格開発の責任者を務めた後、2006年から資格プログラムのリードアーキテクトを務めていた。コンピューターサイエンスと物理学、エンジニアリングを修め、1980年代にはプレッシャーがかかる現場でのプログラミングを経験。1990年代からLinuxとオープンソース中心のビジネスに関与している。

――受験者数についてですが、グローバルではどのくらい増えていますか。

ライス:1週間前の時点で、グローバルでの認定者数は16万5000人(23万認定)です。LPIC1の認定を受けた人の25%が、LPIC2を受けています。そしてLPIC2の認証を受けた人の25%が、LPIC3の認定を受けています。

――いちばん多く資格を取っている国や地域はどこですか。

ライス:日本です。以前のパートナーだったLPI-Japanが非常に良い仕事をしてくれました。2位は米国、3位はドイツ、4位はブラジルです。

――中国はあまり取っていないのですか。

ライス:上位15位には入っています。台湾と香港を加えると認証数は8000から1万くらいだったと思います。ただし、その大半が台湾です。今は以前よりも積極的に東南アジアで活動していまして、来月、シンガポールでオープンソース系のイベント「FOSS ASIA」というのがあるのですが、それにも参加する予定です。これをきっかけに他の国にも広げたいと思っています。分析してみて我々としても意外だったのが、韓国で非常に我々は人気があります。正式なプレゼンスやパートナーはまだないのですが、なぜか韓国で好評なのです。

――ちなみに、日本でのLPICバージョン5.0の受験者数はいかがですか。

伊藤健二氏(以下、伊藤):バージョン4と同5の比較はまだできていないのですが、LPIC-1の受験者数は相変わらず増えていますし、今は駆け込みでバージョン4を受ける人のほうが多いようです。

伊藤 健二氏
伊藤 健二(いとう・けんじ)氏
Linux Professional Institute日本支部 コミュニケーション・ディレクター。
UNIXエンジニアとしてキャリアをスタートし、海外ソフトウェア製品の販売、マーケティングで豊富な経験を持つ。近年ではオープンソースソフトウェアの販売、マーケティングに深く関わってきた。LPI日本支部では、マーケティング、ビジネス開発を担当。

――日本では、LPI-Japanが運営するLinuC資格との関係が懸念材料としてあると思うのですが、進展はありましたか。やはり別々の道を歩んで行くのでしょうか。

ライス:今のところ統合する計画は我々サイドにはまったくありません。ただ、2つに分かれてしまっても、両者の整合性を取ることは重要だと思っています。

――整合性を取るというのは、具体的にはどんなことですか。

ライス:我々にはバージョン5.0があります。LinuCはLinuCで独自のアップデートを開発しているので、どこかの段階で両者の間にズレが出てしまうと思います。それをどうするかということです。

――なるほど。当面は別々のものとしてやっていくということですね。

伊藤:今はそうですね。

ライス:また、LPIC-3 304「仮想化とハイアベイラビリティ」は2つに分ける予定になっています。LPIC-3の試験には300、303、304とあるのですが、クラウドやコンテナでの仮想化のより高度なトピックを扱うために、それにもう1つ加わる形になります。

――いつくらいですか。

ライス:今年中には。

伊藤:多分それよりも前に、「DevOpsツールエンジニア」試験の日本語版が出ます。5月くらいになる予定です。そのタイミングで、DevOpsツールエンジニアも含めてLPIC-3の受験価格を下げる予定です。今は3万円なのですが、価格改定後はLPIC-1と同等の金額(1万5000円)になると思います。

ライス:グローバルでは、LPIC-1以上の受験料はすべて同じ価格になっています。日本国内での受験料も我々でコントロールできるようになったので、グローバルと同じにしたいと思います。

――LPIC試験にそのほか動きはありませんか。

伊藤:1つあります。(LPIC-1の前段階の試験である)Linux Essentialsをこれから日本で訴求していこうとしています。専門学校にアプローチしているのはそのためです。多くの専門学校が興味を持ってくれています。

――LPIC-1では学生には難しいのでしょうか。

伊藤:そうですね。学生の方が学ぶのにLPIC-1はハードルが高すぎると思います。専門学校では学生に、IPA(独立行政法人情報処理機構)のITパスポート試験を取らせるところが多いのですが、それと並ぶ資格として非常に興味を持ってもらえています。

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著者プロフィール

  • 八鍬 悟志(ヤクワ サトシ)

    都内の出版社に12年勤めたのちフリーランス・ライターへ。得意ジャンルは労働者の実像に迫るルポルタージュと国内外の紀行文。特にヒンドゥ教の修行僧であるサドゥを追いかけたルポルタージュと、八重山諸島を描いた紀行文には定評がある。20年かけて日本百名山の制覇を目指しているほか、国内外を走るサイクリストとしての一面も。

  • 市古 明典(IT人材ラボ ラボ長)(イチゴ アキノリ)

    1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、資格学習書と開発者向けWebメディア両方の経験を活かして「資格Zine」を立ち上げ。2017年7月にその拡張版として「IT人材ラボ」をスタートさせた。

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