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キャリアが何かを知る「キャリアデザイン研修」と自分の将来像を毎年見つめ直す「キャリアアップ面談」――BFTのエンジニア育成

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 インフラシステムの設計・運用を請け負い、社員を派遣する株式会社BFTは、2つの仕組みを導入することで社員のキャリア構築を支援している。1つはキャリアデザイン研修、もう1つはキャリアアップ面談だ。前者では新卒社員に対してキャリアの考え方を伝え、後者では「10年後にこうありたい」という自分の姿を思い浮かべ、それに近づくために1年ごとの目標を掲げていく。本稿では、キャリアアップ面談を担当する島田勝也氏(SD推進事業部 課長)、キャリアデザイン研修を担当する森本拓也氏(教育企画室 主任)、山内俊子氏(同)に話を聞いた。

1年目の最後に行うキャリアデザイン研修

――キャリアアップ面談、キャリアデザイン研修に対する皆さんの役割を教えてください。

島田勝也氏(以下、島田):私は課長という役職上、自分の課に所属しているメンバーと1年に1回、面談するという役割です。面談の場でそれぞれのメンバーのことを聞かせてもらい、その中でキャリアを一緒に考えていきます。

――課はどういう業務をしているのですか。

島田:今の私が所属している課は2つあります。1つは新規事業を進めていくところです。もう1つは森本や山内と一緒なのですが、社内のメンバーに対する教育を考える教育企画室というところです。主に新卒入社した人の2~3年目の研修を企画しています。

株式会社BFT SD推進事業部 課長 島田勝也氏
株式会社BFT SD推進事業部 課長 島田勝也氏

森本拓也氏(以下、森本):私は新卒入社した人に対する教育を担当しています。現在は2018年4月に入った人たちの教育を行っていて、つい先日、1年目が終わったので2年目のスタート前にキャリアデザイン研修を実施した形です。

山内俊子氏(以下、山内):私も森本と同様で、教育企画室で新卒入社1年目から3年目の研修を担当しています。キャリアアップ面談は受ける側の立場です。

――キャリアデザイン研修とキャリアアップ面談には連続性はあるのですか。

森本:例えば去年4月に入社した人は、この3月中旬から4月にかけて初めてのキャリアアップ面談を行います。それに向けて、直前にキャリアデザイン研修でキャリアについての考え方を学ぶので、連続しているといえます。

――キャリアデザイン研修では具体的にはどういう話をするのですか。

島田:2つ目的があります。まずはキャリアというものを明確に認識してもらうことが1つ目の目的です。もう1つの目的は、2年目をきちんとした目標を持ってスタートしてもらうことです。キャリアについての一般的な話と、弊社におけるキャリアの話を伝えるようにしています。

――一般的な話と内部の話があるのですね。一般的な話というのはもう少し具体的に言うとどういうものですか。

森本:厚生労働省が出している情報を引用したりして、少し難しい話をします。世間一般ではキャリアというものはこういうふうに認識されています、という話です。

――もう1つは御社内におけるキャリアの話ということですが、これはどういうものですか。

森本:「当社でいうキャリアとは知識と経験です」ということをまずは明確にします。それから、知識にはどんなものがあり、経験にはどんなものがあるかを伝え、それらを自分から進んで磨かなければいけません、といった話を具体的にします。

――その後にキャリアアップ面談が控えているわけですね。キャリアアップ面談に向けて教えていることは?

島田:まずはキャリアについて知ってもらい、次に人脈を広げようという話をします。2年目をスタートさせるにあたり、2人の人を見つけようという話です。1人目は相談できる人、もう1人は目指すべき人、つまりロールモデルです。その2人を見つけて2年目を充実させて健全な社会人生活を送っていこうという話をします。その上で「ビジョンと価値観」について伝えます。人には“ビジョン型”と“価値観型”という2つの傾向があるという話をし、自分がどちらかの型かというのを知ってもらうのです。そこで初めて自分の価値観は何か、ビジョンは何かを考え、1年後にどうなっていたいかを明確にします。そのビジョンがキャリアアップ面談につながっていきます。

――ビジョン型と価値感型の違いを教えてください。

森本:ビジョン型は、将来こうなっていたいという目標を持つ人です。一方、価値観型は、仕事をしていくうえで大事にしたいものを持っている人。後者は、ビジョンはあまりないのですが、今、大事に思っているものを大事にしながら仕事をしていくタイプです。どちらが優れているという話ではありません。

株式会社BFT 教育企画室 主任 森本拓也氏
株式会社BFT 教育企画室 主任 森本拓也氏

――それをはっきりさせると、今後のキャリアアップがしやすくなるのですか。

島田:ビジョンを考えやすくするための手段として、どちらのタイプかを把握します。枠にはめるものではありません。

――自分の強みを振り返ることもするのですか。

島田:はい。仕事に結びつく自分の強みを見つけてもらうと同時に、グループのメンバーからも自身の強みを挙げてもらい、どうやってそれを仕事に結びつけようか考えます。

――自分で考える強みと、メンバーに指摘してもらう強みとの2通りがあるのですね。グループのメンバーというのは新卒の人ですか。

森本:そうです。全員が新卒のメンバーです。

――新卒のメンバーは研修が終わるとバラバラになり、それが久しぶりに集まってキャリアデザイン研修を受けるのですね。みんなキャラクターがわかっているからやりやすいのでしょうね。他に研修でやっていることはありますか。

島田:研修の最後のほうで、会社から新卒のメンバーに対する期待を述べ、会社のビジョンと価値観も伝え、ギャップを埋めていきましょうという話をします。そしてキャリアアップ面談で必要なことを書いてもらってひと通りの作業は終わります。

――キャリアデザイン研修では、具体的なキャリアについて考えるというよりも、どちらかというとキャリアとは何かという大枠を伝え、自分の特性を知ってもらうという2つのことをするのですね。

島田:そうですね。加えて、キャリアを考えるための土台作りをすることを目的としています。あとは、会社からの期待を聞いた上でお互いが歩み寄っていきます。自分の本意だけでキャリアを重ねていくのではなく、「会社はあなたにこういうことを期待していますよ」というのを踏まえた上でキャリアを構築していく形になります。会社からの期待をインプットする機会はなかなかないので、貴重な場だと思います。新卒で入社した時も期待は伝えますが、より明確に「10年後はこういうエンジニアになってくださいね」と改めて伝えるのです。

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著者プロフィール

  • 八鍬 悟志(ヤクワ サトシ)

    都内の出版社に12年勤めたのちフリーランス・ライターへ。得意ジャンルは労働者の実像に迫るルポルタージュと国内外の紀行文。特にヒンドゥ教の修行僧であるサドゥを追いかけたルポルタージュと、八重山諸島を描いた紀行文には定評がある。20年かけて日本百名山の制覇を目指しているほか、国内外を走るサイクリストとしての一面も。

  • 市古 明典(IT人材ラボ ラボ長)(イチゴ アキノリ)

    1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、資格学習書と開発者向けWebメディア両方の経験を活かして「資格Zine」を立ち上げ。2017年7月にその拡張版として「IT人材ラボ」をスタートさせた。

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