Shoeisha Technology Media

IT人材ラボ

注目の特集・連載

なぜ「スクラム採用」に取り組んでいるのか、人事と現場の役割分担は?――メルカリ、ヘイ、HERP、YOUTRUST《前編》

  • ブックマーク
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2019/06/10 06:00

 最近、ベンチャー企業を中心に、社員全員が一丸となって採用に取り組む「スクラム採用」が話題となっている。そのスクラム採用に関するトークイベント「Scrum Recruiting LABO #1」が、3月13日に東京・恵比寿で開催された。本稿では、メルカリ、ヘイ、HERP、YOUTRUSTの代表取締役や人材組織担当者らが集まり、貴重な知見が披露された同イベントの模様を、前後編でお伝えする。

パネリスト

  • 石黒卓弥氏(株式会社メルカリ Manager, Organization & Talent Development)
  • 佐俣奈緒子氏(ヘイ株式会社 代表取締役副社長)

モデレーター

  • 庄田一郎氏(株式会社HERP 代表取締役CEO)
  • 岩崎由夏氏(株式会社YOUTRUST 代表取締役)

納得度が高まり楽しくもあるから

岩崎由夏氏(以下、岩崎):では、皆さんから募集した質問をベースに、メルカリの石黒さん、ヘイ(hey)の佐俣さんからご回答をいただく形でトークセッションを進めていきます。質問は全部で5つです。まず1つ目「どうしてスクラム採用を始めたのか、背景や考え方を聞きたいです」から。

 なお、全ての質問において石黒さん、佐俣さんから事前に回答をいただいています。石黒さんは「“唯一にして最重要の活動”だから」、佐俣さんは「誰と一緒にはたらくのかを自分で決められるのが楽しいから」。では、その心は? ということで、石黒さんからお話をお伺いしたいと思います。

石黒卓弥氏(以下、石黒):なぜみんなで採用活動に取り組むのかというと、会社として採用に対する熱量や納得度が高くなるし、その高さというのを全員に認識してもらうためです。この辺りは何回も繰り返しやっていくしかないかな、と思っています。

石黒 卓弥氏
石黒 卓弥(いしぐろ たかや)氏
株式会社メルカリ Manager, Organization & Talent Development。
NTTドコモに新卒入社後、マーケティングのほか、営業・採用育成・人事制度を担当。また事業会社の立ち上げや新規事業開発なども手掛け、2015年1月にメルカリに入社。 メルカリでは採用を中心とした人事企画を担い、2019年2月より現職にて組織・人材開発の領域を担当。複数のスタートアップにて人事領域のアドバイザーも務める。

佐俣奈緒子氏(以下、佐俣):スクラム採用の何が良いかというと、誰と働けるのか決められる楽しさがメンバー全員にあること。自分のチームではこういう人と働きたいとか。逆に候補者にとっては、入社後に一緒に働く仲間の顔が見える、というところがとても重要かなというのが根底にあります。

 もう1つ、大きな理由があって。弊社では、昨年1年間で100人採用しようと考えていたのですが、データを見たら、転職エージェント経由でレジュメを提出いただいた候補者の内定率が2~3%くらいしかなく、それだと「レジュメを何枚見ないといけないの?」という状況になったんです。3人しかいない人事だけでやるのは限界。それなら、メンバーのほうが人事の10倍、20倍多いんだから、みんなでやるほうが効率的だろうと。さらに、メンバーが連れてきてくれる友達のほうが、明らかに選考の通過率が高い。すでに会社のことをよく分かっているメンバーが、一緒に働きたいと思っている人を連れてきてくれるからです。そういう採用に取り組んだほうが、到達したい事業目標に早く到達できるんじゃないかと思っています。

佐俣 奈緒子氏
佐俣 奈緒子(さまた なおこ)氏
ヘイ株式会社 代表取締役副社長。
2009年より、米ペイパルの日本法人立ちあげに参画。加盟店向けのマーケティングを担当し、日本のオンラインサービス/ECショップへPayPalの導入を促進。2012年3月にコイニーを創業。

岩崎:ヘイさんは「みんなでやらないと採用できないよね」と合理的に判断して、ある時からスクラム採用を始めたということですが、メルカリさんの場合は最初からスクラム採用を行っていたんですよね。

石黒:インターネット事業をやっていれば意識しないわけにいかないGoogleをはじめとするGAFAは、最初の10年で採用のプライオリティをすごく上げていたりしますよね。製造業などと違って、インターネット事業にはモノや資産があるわけではなく、全ては人です。だから、人にリソースをつぎ込むのは、ある意味当たり前なんですよね。私が入った4年前にはすでに、「メンバーが一緒に働きたい人を連れてくるという」カルチャーになっていました。

岩崎:リファラル採用の割合はどれほどなのでしょうか。

石黒:直近では若干変わっているかもしれませんが、およそ60%ですね。

佐俣:ヘイは4人で経営していて、実はその中の佐藤(裕介 代表取締役社長)と私は学生のころから、もう10年以上の友達なんです。ストアーズ・ドット・ジェーピーの光本(勇介 取締役会長)も6~7年前から一緒に食事したりする友達で……基本的に友達と会社を設立・経営しているんですね。なぜかというと、楽しいからやっているというのがあって。楽しいから続けられる。それは自分たちもそうだし、自分たちが向き合っているストアオーナーなどのお客様も楽しいから続けているんじゃないかなと。

岩崎:そもそも経営陣のみなさんが働く相手というのは、自分の好きな人だという前提がありますよね。

佐俣:そうですね。今まで日々日々チャットしているだけという関係だったけど、雑談から始まって事業になることもあります。ベースに信頼関係があるので、友達と「バンドやろうぜ」というのとあまり変わらないのかなあ、と思います。

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。



  • ブックマーク
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • 池谷 翼(YOSCA)(イケタニ ツバサ)

    大学在学中に先端情報技術と社会の関係性に関心を持ち、独自に情報収集を始める。現在はIT・テック系ライターとして、業務効率化支援などtoB向けITツール・サービスをテーマとした取材、記事執筆を中心に活動中。趣味はSF映画鑑賞。

バックナンバー

連載:イベントレポート

もっと読む

IT人材ラボ
2019/06/10 06:00 /article/detail/1567
All contents copyright © 2017-2019 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.0