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マネージャーを廃し自律・分散・協調を目指すネットプロテクションズの人事制度「Natura」、評価や意思決定は?

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 通販向け決済システムなどを運営する株式会社ネットプロテクションズは、昨年10月に全社においてマネージャー職を撤廃した。代わりに行ったのが、情報・ヒト・カネの采配に権限を持つカタリストという役割の新設、360度評価の徹底、そしてバンドと呼ぶグレード制度の導入などだ。ネットプロテクションズはなぜ人事制度の刷新に踏み切ったのか、移行後にどんな課題が見えてきたのか。同社の釣巻創氏(人事総務グループ)、渡辺悠太氏(マーケティンググループ 兼 人事総務グループ)に話を聞いた。

マネージャーのいない組織

――御社の新しい人事制度「Natura」について、簡単にご説明いただけますか。

釣巻創氏(以下、釣巻):弊社が目指す組織像として「自律・分散・協調」というものがあります。これをベースとして社員個人の幸せを実現し、会社としても成長しつつ世の中を良くしていきたいと思っています。ですので、前提として個人が自律・分散・協調して働けるような組織を、弊社は目指しています。

 これを目指すための1つの形として「Natura」という人事制度を昨年10月に始めました。旧制度から大きく変わったところは、マネージャーを撤廃し、代わりに「カタリスト」という役割を設けた点です。また、360度評価の徹底、2対1の面談で個人の成長を支援するDS(Development Support)と呼ばれる制度、さらにはバンド制への移行なども大きく変化したところです。

釣巻 創氏
釣巻 創(つりまき はじむ)氏
株式会社ネットプロテクションズ 人事総務グループ。
2014年ネットプロテクションズに新卒入社。1~4年目はカスタマーサービスグループに所属。NP後払いの与信審査の運用設計に関わる中で、自分らしく働くための制度作りに興味を持ち、2018年に人事総務グループへ異動。現在は、人事制度の改善・運用を筆頭に、採用、研修といった組織作り全般に関わる。

――それまではマネージャーを中心とした階層構造の組織だったのですね。どうして制度変更に踏み切ったのですか。

釣巻:マネージャーがいることで、いろいろ弊害が生じたのです。例えば、部下の評価の不透明さだったり、権限が集中することで部下の自律的な動きが鈍ってしまったりといったことです。特に評価に関しては、全員が360度評価をすることで、権限の委譲や自立した判断が可能になると思い、大きく制度を変えました。

――マネージャーがいると、最終的な責任がマネージャーにあるという感覚に陥り、「自律・分散・協調」という価値観から離れてしまいがちです。そういうことが課題としてあったのですね。

渡辺悠太(以下、渡辺):そうですね。また、弊社の特徴なのですが、新卒社員が多い構造になっています 。そのため、彼らの面倒を見るマネージャー層に大きな負担をかけていました。成果を出すことはもちろん、評価や成長支援でも、マネージャー層に依存していたわけです。そこで、個々が互いに支援し合う形になることを期待して、マネージャーを撤廃しました。さらに、責任が全体に分配されることをNaturaの中で明文化しました。

釣巻:今まで誰も明文化していなかったからこそ、最終的な責任はマネージャーにあるという暗黙的な意識が皆の中にありました。Naturaでは「それを全員で受け持つ」ということをあえて明確にしたのです。それにより誰かがやるのではなく、みんなでやろうという意識が芽生えてきています。

渡辺 悠太氏
渡辺 悠太(わたなべ ゆうた)氏
株式会社ネットプロテクションズ マーケティンググループ 兼 人事総務グループ。
2015年ネットプロテクションズに新卒入社。訪問型サービス向け決済「NP後払いair」の営業を担当したのち、マーケティンググループに異動。各サービスのデジタルマーケティング担当として広告設計・運用を担当するほか、企業ブランディングにも携わる。2018年10月より人事総務グループを兼務。

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著者プロフィール

  • 八鍬 悟志(ヤクワ サトシ)

    都内の出版社に12年勤めたのちフリーランス・ライターへ。得意ジャンルは労働者の実像に迫るルポルタージュと国内外の紀行文。特にヒンドゥ教の修行僧であるサドゥを追いかけたルポルタージュと、八重山諸島を描いた紀行文には定評がある。20年かけて日本百名山の制覇を目指しているほか、国内外を走るサイクリストとしての一面も。

  • 市古 明典(IT人材ラボ ラボ長)(イチゴ アキノリ)

    1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、資格学習書と開発者向けWebメディア両方の経験を活かして「資格Zine」を立ち上げ。2017年7月にその拡張版として「IT人材ラボ」をスタートさせた。

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2019/08/23 06:00 /article/detail/1790
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