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稼げるIT資格はどれ?―米グローバルナレッジが2020年版のトップ15を発表

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2020/02/20 19:28

 IT研修大手の米Global Knowledge Training LLC.(以下、米グローバルナレッジ)は2月9日、米国でのITスキルと給与調査データに基づいて算出した「15 Top-Paying Certifications for 2020(稼げる認定資格 Top15 2020年版)」を発表した。今年は約半数の7つの資格が新たにランクイン。クラウド分野が強さを見せたほか、セキュリティ分野が大幅にランクをアップさせた。また、昨年は大幅に伸びた年収額が、今年も引き続き全体的に伸びている。

 米グローバルナレッジは、エンジニアの給与と保有するIT関連資格について2011年より毎年調査を行い、その結果を発表している。同社によれば、2020年版のランキングからは次のような事実が見て取れるという。

  • 昨年トップ15にランクインした資格のうち、今年もランクインしたのは8資格
  • クラウドコンピューティング関連資格は5つで、昨年より1つ増えた
  • サイバーセキュリティ関連資格は3つで、昨年より2つ減った
  • AWS、マイクロソフト、シトリックスの資格がそれぞれ2つずつランクインした
  • ITILファウンデーションはこのトップ15の中で最も人気のある資格であり、米国でも2番目に人気がある

 今年も年収額は全体的にアップした。昨年の同ランキングと比較した場合、全体平均で12.1%の増加。トップ5では13.3%増加した。とりわけ伸びが大きかったのは、昨年から引き続き今年もランキングトップの「Google Cloud認定資格 - Professional Cloud Architect」で、昨年から26.0%(13万9529ドル→17万5761ドル)も増えている。また、やはり全体の年収額が伸びた昨年、一昨年トップの年収額でも6位になる状況だったが、今年も昨年トップの年収額(13万9529ドル)では7位になってしまう。

 他に全体的な傾向としては2つある。1つは「クラウド」分野でランクアップ・ランクインした資格が増えたことだ。昨年4位にダウンした「AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト」が2位に復位。エントリー資格の「AWS認定クラウドプラクティショナー」もランク外から入ってきた。さらに、マイクロソフトのクラウドAzureの関連資格「Microsoft Certified: Azure Fundamentals」と「Microsoft Certified: Azure Administrator Associate」が新たにランクイン。Azureはクラウド市場でAWSに次ぐシェアを持っているが、資格の価値も高めた格好だ。一方で、毎年ランクインしていたマイクロソフトのOS/サーバー分野の資格が姿を消した。

 もう1つは「セキュリティ」分野の資格が再び上位に食い込んできたことだ。同調査の2017年版ではトップ5のうち4つをセキュリティ分野の資格が占めていたが、その後徐々にランクを落としていた。2020年版では3位、6位、7位にセキュリティ分野の資格がランクイン。7位の「公認情報システム監査人(CISA)」は昨年ランク落ちしてからの復活だ。その他3つの資格も軒並み、年収額が昨年より20%以上増えている。

 なお、「プロジェクトマネジメント」分野の「プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)」は、昨年の2位から5位へランクダウンといえども、年収額は13万5798ドルから14万3493ドルに増えており、依然強い存在感がある。一昨年8位、昨年3位と躍進が続いた「認定スクラムマスター」はトップ15に絡むポジションにあったようだが、回答者数のしきい値に届かずランク外扱いとなったようだ。

 同様の“足切り”になった資格には、Citrix Certified Expert –Virtualization(CCE-V)、Google Cloud認定資格 - Professional Data Engineer、Nutanix Certified Professional(NCP)、VMware Certified Professional 6.5 –Data Center Virtualization(VCP6.5-DCV)がある。

 発表されたトップ15の資格は次のとおり。

順位 資格名 年収額 技術分野 昨年順位
1 Google Cloud認定資格 - Professional Cloud Architect 17万5761ドル クラウド 1
2 AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト 14万9446ドル クラウド 4
3 公認情報セキュリティマネージャー(CISM) 14万8622ドル セキュリティ 8
4 Certified in Risk and Information Systems Control(CRISC) 14万6480ドル コンプライアンス 9
5 プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP) 14万3493ドル プロジェクトマネジメント 2
6 情報システムセキュリティプロフェッショナル認定(CISSP) 14万1452ドル セキュリティ 10
7 公認情報システム監査人(CISA) 13万2278ドル セキュリティ
8 AWS認定クラウドプラクティショナー 13万1465ドル クラウド
9 VMware Certified Professional 6 –Data Center Virtualization(VCP6-DCV)※現行版のVCP-DCV 2020へ 13万0226ドル 仮想化
10 ITILファウンデーション 12万9402ドル ITサービスマネジメント 7
11 Microsoft Certified: Azure Fundamentals 12万6653ドル クラウド
12 Microsoft Certified: Azure Administrator Associate 12万5993ドル クラウド
13 Citrix Certified Associate - Networking(CCA-N) 12万5264ドル ネットワーク
14 CCNP Routing & Switching 11万9178ドル ネットワーク 15
15 Citrix Certified Professional - Virtualization(CCP-V) 11万7069ドル 仮想化

トップ3の資格試験概要

 1位の「Google Cloud認定資格 - Professional Cloud Architect」は、Google Cloud Platform(GCP)を使い、スケーラビリティと高可用性を備え、堅牢で安全なソリューションを設計・開発・管理できることを認定する資格。試験では、「クラウド・ソリューション・アーキテクチャの設計と計画」「クラウド・ソリューション・インフラストラクチャの管理とプロビジョニング」といった能力が評価される。試験は、KRYTERION社が運営する試験会場で受けられる。受験条件はなく、日本語での受験も可能。模擬試験も用意されている。試験時間は2時間。受験料は200ドル。

 なお、Google Cloud Certified資格には、そのほか、エントリーレベルのAssociate Cloud Engineerや、プロフェッショナルレベルのProfessional Data Engineer、同 Cloud Developer、同 Cloud DevOps Engineer、同 Cloud Network Engineer、同 Cloud Security Engineer、同 Collaboration Engineerがある。

 2位の「AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト」は、米アマゾンのクラウドAmazon Web Services(AWS)上でシステムの設計やデプロイを行うための専門性を証明する資格。ここ数年4位以内でのランクインを続けている。試験が3月から切り替わることが明らかにされており、現行バージョン(SAA-C01)は2020年3月22日で終了し、新バージョン (SAA-C02) が同3月23日にスタートする。新バージョン試験のサンプル問題(英語)がこちら(PDF)からダウンロードできる。

 AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイトの認定を受けるには、PSIテストセンターかPearson VUEテストセンターで試験を受け、合格する必要がある。試験では、回復性の高いアーキテクチャの設計や、パフォーマンスに優れたアーキテクチャの定義、セキュアなアプリケーションおよびアーキテクチャの規定といった分野から出題がある。なお、AWS認定資格にはそのほか、AWS認定クラウドプラクティショナー(8位にランクイン)、同ソリューションアーキテクト プロフェッショナル、同デベロッパー アソシエイト、同SysOpsアドミニストレーター アソシエイト、同DevOpsエンジニア プロフェッショナルと、ビッグデータや機械学習など5種類のAWS認定 専門知識資格がある。

 3位の「公認情報セキュリティマネージャー(CISM)」は、ISACAという非営利団体が提供・管理する資格で、情報セキュリティマネージャーを対象とし、セキュリティ戦略とシステムおよびポリシーの評価に焦点を当てたもの。CISM認定取得には、5年以上の情報セキュリティ分野での経験が必要となり、そのうち3年以上のセキュリティマネージャーの経験が要求される。取得後も3年間で120時間以上の継続専門教育(CPE)を受けなければならない。試験は4肢択一式で、連続4時間の中で150問に回答。得点は200点から800点までのスケールドスコアーとして計算され、450点以上が合格となる。

 なお、米グローバルナレッジによれば、CISMは20年以上のキャリアを持つITプロフェッショナルの間で、3番目に人気のある資格だという。本ランキングでも2017年版で2位、2018年版で7位、2018年版で8位に入っている。

 本レポートの全文は、米グローバルナレッジの発表ページ(英語)を参照のこと。

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2020/02/21 11:10 /article/detail/2069
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